手の厥陰心包経 大陵穴ー手関節掌側横紋中央 長掌筋と橈側手根屈筋腱の間
大陵穴は手関節掌側横紋の中央にあります。手関節掌側横紋しっかり確認しその中央を探った後、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の確認が必要です。
長掌筋腱と橈側手根屈筋腱を確認
※長掌筋腱と橈側手根屈筋腱は手首の真ん中ですぐ隣り合わせにある腱
【長掌筋腱を確認】
手首を曲げ指を伸ばしたまま、指先を真ん中に集める姿勢を取ります。
この時手首の真ん中で一際、浮かび上がるのが、長掌筋腱です。
長掌筋腱がけは手首にある屈筋支帯の上を通っているのでくっきり見えます。
(まれに長掌筋はない方もられますが)
【橈側手根屈筋腱の確認】
この長掌筋腱のすぐ橈側(外側)にある腱が橈側手根屈筋腱です。
橈側手根屈筋腱がわかりにくい時は、少し手首を撓屈(親指側に傾けてください)してください。
手関節掌側横紋の中央で、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間にるのが大陵穴になります。※橈側手根屈筋腱がわかりにくい時は、長掌筋すぐ橈側縁(外側の筋の縁)でOKです
手の少陰心経 神門穴ー手関節掌側横紋尺側 尺側側手根屈筋腱の橈側 豆状骨の上部橈側
神門穴は手関節掌側横紋の尺側にあります。ここでは豆状骨と尺側手根屈筋嫌悪確認が大切です。
尺側手根屈筋を確認して神門穴を取穴する
尺側手根屈筋腱と豆状骨の確認の仕方
手首を今度はやや曲げながら尺屈し、確認した豆状骨からすぐ上の手首の方にさえた指をずらしていくと尺側手根屈筋腱にあたります。(尺素億素根屈筋腱は豆状骨に停止します)手関節初速横紋上でこの尺側手根屈筋腱の橈側縁の陥凹部にあるのが神門穴になります。(豆状骨の上際の橈側になります)
手の3陰経絡は、
手の掌側横紋~肘の肘窩横紋 または
手の太陰肺経は太淵穴~尺沢穴
手の厥陰心包経は大陵穴~曲沢穴
手の少陰心経は神門穴~少海穴
までを1尺2寸として図り、その間にある前腕の経穴を探っていけるわけです。
これから前腕の3経絡の解説に移るのですが
その前にその3経絡にもかかわる前腕にある筋の解説を行きましょう(^^♪
前腕にある手の3陰経絡に関わる筋は以下の通りです
- 前腕の屈筋群(表層)の5つ
- 腕橈骨筋
- 長母指外転筋と短母指伸筋
※解剖学の教科書をご参照ください
前腕には大きく屈筋群と伸筋群というものに大別されます。屈筋群は主に前腕の裏側になり、伸筋群は前腕の表側にあります。
ということは、手の3陰経は前腕の裏側を通るから前腕の屈筋群が主にかかわり、手の3陽経は前腕の表側を通るから前腕の伸筋群が主に関わるのがわかりますね。
それでは手の3陰経絡主に関わる前腕の屈筋群についてですが、前腕の屈筋群は全部で8個あります。その8個の屈筋は更に、表層にある5個と深層にある3個の筋に分かれます。
今回は対象になるのは屈筋群の表層にある5個の筋だけです。その5個の筋には特徴があります。
前腕の表層の屈筋群(5つ)はすべて上腕骨の内側上顆ら起始するという事です。(これは運動学的にも重要なんで覚えていきましょう)
前腕の表層の屈筋群(5つ)はすべて上腕骨の内側上顆ら起始する事がわかりましたら、今度は上腕骨内側上顆からどんな風に5つの筋が走行しているかを知る事が大切です。これが今回、理解していただきたいことです。
※前腕の表層の屈筋群5つが上腕骨内側上顆より起始する順番
反対の手の根元を内側上顆に当て手指を開けて説明するとわかりやすいです。
- 円回内筋ー親指が向かう先
- 橈側手根屈筋ー人指指が向かう先
- 長掌筋ー中指が向かう先
- 浅指屈筋ー薬指が向かう先
- 尺側手根屈筋ー小指が向かう先
この順番で配列されるのです。その筋の横に写真で指し示した5指が書いてあります。5指で走行を指し示した写真と、前腕の表層の屈筋群の解剖を見比べてください(^^♪
され5本の指でそれぞれの筋を当てはめたところで、これに手の太陰肺経以外の2経絡を当てはめていきます。
手の厥心包経は橈側手根伸筋と長掌筋の間(ちょうど指示した 橈側手根屈筋の人差し指と長掌筋の中指の間を通る)
手の少陰心経は尺側手根屈筋と浅指屈筋の間(ちょうど指示した 尺側手根屈筋の小指と浅指屈筋の薬指の間を通る)
- 円回内筋ー親指が向かう先ー手の太陰肺経の孔最穴が当たる
- 橈側手根屈筋ー人指指が向かう先
厥陰心包経が通るー郄門穴~大陵穴まですべて当てはまる - 長掌筋ー中指が向かう先
- 浅指屈筋ー薬指が向かう先
少陰心経が通るー霊道穴~神門穴まですべて当てはまる(少陰心経の経穴部位では尺側手根屈筋腱の橈側縁と書かれている)
- 尺側手根屈筋ー小指が向かう先

では残りの手の太陰肺経はどこにいったのでしょう?
もういっかい前腕の屈筋の解剖図を見ると、前腕の浦柄の橈側側だけ筋がないのがわかります。
実はここに手の多淫肺経は通ります。
ここにも当然筋はあります。その大部分をしめるのが腕橈骨筋です。

腕橈骨筋は前腕の伸筋群に属する筋です。肩こりを引き起こす筋ともいわれ、かなり臨床上で使われる筋です。腕橈骨筋をほぐすなら肺経を狙うのがお勧めです。
腕橈骨筋は上腕外側下部から起こり、橈骨の茎状突起に停止する筋です。その為、手の太陰肺経の尺沢穴~経渠穴まで腕橈骨筋上にあります。太淵穴上にはないのは、太淵穴は橈骨の形状突起とそれより先の舟状骨の間になるから腕橈骨筋は被らないのです。
さて、前腕の解剖図をみると、
手の太陰肺経通るの手首付近には腕橈骨筋以外にまだ他の筋がある事がわかります。それが長母指外転筋と短母指伸筋です。
手の太陰肺経の列欠穴(長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間) 経渠穴(長母外転筋)に関わる
手の太陰肺経のうち、手首付近にある列缺・経渠穴は長母指外転筋腱と短母指伸筋腱がさらに関わります。
長母指外転筋と短母指伸筋は前腕の表側(背側)より起こります。3の筋は四人合わせで並走して橈骨の側面(丁度手首の手前)にでて親指に行く走行をしています。その為、この二つの筋は、前腕の裏側からも走行が一部見れる構造になり、肺経の列欠穴は長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間、経渠穴は長母外転筋上にある形になるのです。
手を返して 掌側面より見ると、長母指外転筋・短母指伸筋の腱が確認できます。その長母指外転筋・短母指伸筋の腱の間に列欠穴を取ります。
この3つの経絡は、手関節掌横紋~肘窩横紋または太淵穴~尺沢穴を1尺2寸として測ってから取穴していきます。
孔最穴ー太淵穴から尺沢穴に向かう線上で太淵穴の上7寸(尺沢穴から下5寸)にある
列欠穴ー太淵穴から上1寸5分状にあり 長母指外転筋と短母指伸筋腱の間にとる
経渠穴ー太淵穴から上1寸上になり 茎状突起 橈骨動脈拍動部にとる
手の厥陰心包経 郄門穴・関使穴・内関穴
この3つの経絡は、手関節掌横紋~肘窩横紋または大陵穴~曲沢穴を1尺2寸として図ってから取穴していきます。
手首の大陵穴を含め、この4つの経穴はすべて長掌筋腱よ橈側手根屈筋腱の間にある事をまず覚えましょう。
その上で、
郄門穴ー大陵穴~曲沢穴を結ぶ線上で大陵穴から上5寸(曲沢穴から下7寸)
関使穴ー大陵穴~曲沢穴を結ぶ線上で大陵穴から上3寸(曲沢穴から下9寸)
内関穴ー大陵穴~曲沢穴を結ぶ線上で大陵穴から上2寸(曲沢穴から下10寸)


手の少陰心経 霊道穴・通里穴・陰郄穴

この3つの経絡は、手関節掌横紋~肘窩横紋またはっ神門穴~少海穴を1尺2寸として図ってから取穴していきます。
手首の神門穴を含め この4つの経穴はすべて尺側手根屈筋腱にある事をまず覚えましょう。(尺側手根屈筋腱と浅指屈筋腱の間にあたる)
その上で
霊道穴ー神門穴~少海穴を結ぶ線上で神門穴から上1.5寸
通里穴ー神門穴~少海穴を結ぶ線上で神門穴から上1寸
陰郄穴ー神門穴~少海穴を結ぶ線上で神門穴から上0.5寸
まとめ 手首から肘にかけての3陰経絡の横並びを覚えよう
3経絡の流れと、経穴の解説を理解したところで、表にしました。