難治性の「足のむくみ」を改善!関節可動域と筋ポンプ作用に注目した施術法
こんにちは、坂本指圧マッサージ塾の塾長、坂本周平です。
今回は、特に高齢者の方や整形外科的な疾患を持つ方に多い、「足を上げてもなかなか改善しない重度の浮腫(むくみ)」に対する、坂本指圧マッサージ術を用いた具体的な施術法の一例をご紹介します。
浮腫の施術は、ただ水分を流せば良いというものではありません。原因を深く突き止め、筋ポンプ作用と関節の可動域に根本からアプローチすることが極めて重要です。
浮腫の患者様の状態と根本原因の把握
- 年齢・性別:70歳・男性
- 基礎疾患:内臓疾患なし
- 整形外科疾患:両足変形性膝関節症
- 歩行レベル:不自由で100歩程度しか歩行できない
- 浮腫の程度:重度(足を上げても改善が難しい状態。右足>左足)
- 足関節の可動域:極度に低下(左右とも30度程度)
浮腫の原因の特定(2つの要因)
この患者様の場合、内臓疾患がないことから、浮腫の主な原因は以下の2点にあると推測されました。
- 筋ポンプ作用の低下: 膝の不自由さによる歩行量の減少に伴い、ふくらはぎなどの筋力が低下・萎縮し、血液やリンパ液を心臓へ送り返す「筋ポンプ作用」が極度に低下している。
- 血液還流量の低下: 変形性膝関節症により膝周囲の血行が極度に悪化し、下肢から体幹への血液還流が物理的・機能的に妨げられている。
坂本式浮腫施術の改善ポイント
| ① 関節可動域の回復と柔軟性の向上 | 筋ポンプ作用の維持・向上が目的。筋萎縮に伴う**筋拘縮(コリ)**を取り除くため、足首から下の関節を他動的に動かし、筋の柔軟性を高め、血流量を増加させます。 |
|---|---|
| ② 血行が詰まりやすいポイントの的確な施術 | 血液還流量の増加が目的。膝周囲だけでなく、足の先から血液還流が滞りやすい部位を正確に把握し、そのポイントに対して的確に指圧マッサージを施します。 |
【実践】浮腫改善のための具体的な施術法と流し方
上記の改善ポイントに基づき、特に足首から下の施術を念入りに行います。
足部(足首から下)の関節を意識した施術


多くの施術家が「足関節」のみに注目しがちですが、足部には赤い線で示される部位(中足骨、足根骨など)すべてに関節があり、それぞれが複雑に連動して足の動きを作り出しています。
これらの小さな関節すべてを体表から触診で確認し、マッサージしながら可動域を広げていくことを意識します。
関節の動きを意識した施術は、筋ポンプ作用の低下を防ぐために、筋を他動的に動かすという目的に繋がります。
血行の詰まりやすいポイントと血液の流し方
浮腫の改善には血行の促進が不可欠です。下肢の血液は、以下のルートで心臓に向かって流れるイメージを持ちます。
足部で血行が滞りやすい部位(特に関節部)を念入りにほぐします。
足の浮腫を、内側側面(内くるぶしとアキレス腱の間など、静脈が体表近くを通る部位)に集めるように流していきます。
最終的に、足首より上部(膝裏などを経由)に血液を送り込むイメージで、心臓に向かって施術を行います。
まとめ:浮腫施術は「全身のつながり」と「機能回復」


坂本指圧マッサージ術における浮腫施術は、一時的な水分の排出だけでなく、「筋ポンプの回復」と「可動域の向上」という根本的な機能回復を目的としています。
- 単なるマッサージではない: 筋のコリ(拘縮)を取り除き、関節の動きを改善することで、下肢本来の血液還流能力を高めることが真の目的です。
- 症状の原因に的確に: 腰痛や肩こりが原因によって異なるように、浮腫もその原因(内臓疾患、整形外科疾患、運動不足など)によって施術のポイントが異なります。

